成年後見制度とは
知的な障がいのあるご本人の母親からの相談を例に、成年後見制度の概要をみてみましょう。この例は知的な障がいのある方のケースですが、他の障がいをお持ちの方や、高齢で認知症等があり判断能力が不十分な方についても、成年後見制度の説明は同様です。
日頃、東大阪市内で知的な障がいのあるご本人(Bさん)を支えている母親(Aさん)は、自分が亡くなった後のことが心配です。成年後見のことを聞きたいと、東大阪成年後見支援センターへやってきました・・・
Aさん(70代、知的障がいのある男性Bさんの母親)

親がいなくなった後、Bのこれからを誰にどうやってお願いしたらいいのか、わかりません。何か方法はないの?
今使える制度の中では、「成年後見」というものがありますよ。
その言葉は最近よく聞くけど、「成年後見」ってどんなことができるの?
ご本人に不利益がないように、後見人はこのような活動をします。
不動産や預貯金などの管理 | 【財産管理】 |
毎日の生活に気を配る | 【身上監護】 |
日中過ごす場所やグループホーム・ケアホームなど各事業所との契約 | 【福祉サービス契約】 |
不要なもの(高額に限る)を買わされた時に取り消すことができる | 【取消権】 |
家族が亡くなった時に不利益がないように話し合う | 【遺産分割協議】※ |
※親族が後見人になった場合、遺産分割協議は後見人としてできない場合があります。
お金のこととか、サービスの契約とかもしてくれるのね。
はい。成年後見制度は、知的障がいや精神障がい、認知症などで判断能力が不十分な人や低下した人を守り、支えていく制度です。ご本人の判断能力の程度や事情によって後見・保佐・補助の3つに分かれます。
その3つはどう違うの?
例えば通帳から引き出す時を考えてください・・・
自分ではひきだせない | 【後見】・・・後見人がつきます |
自分でひきだすのは不安がある | 【保佐】・・・保佐人がつきます |
自分で引き出せるけど、見守っていてほしい | 【補助】・・・補助人がつきます |
これは一例です。このように、本人の持っている力にどこまで寄り添うのかを家庭裁判所が決めます。
成年後見でできることは分かったけど、制度を利用して後見人や保佐人や補助人が付くと、本人が社会的に制限されることがあるのでは?
はい。医師や税理士資格等がなくなったり、会社役員や公務員の地位がなくなる欠格事由に該当したり選挙権がなくなったりします。
印鑑登録の抹消 | 【後見】 |
会社役員やNPO法人の理事、公務員や医師等資格の欠格事由 | 【後見・保佐】 |
※「補助」は、特にできなくなることは定められていません。
後見人や保佐人や補助人は、どうやって決まるの?
家庭裁判所が決めます。
家族がなろうと思ったら?
家庭裁判所に申立てを行うときの書類に「後見人候補者欄」がありますので、そこになろうと思う方のお名前を書いてください。
書いたらなれるの?
必ずなれるわけではありません。家庭裁判所がいろいろな方から話を聴き、聴いた内容と提出した書類を参考に決めます。
家族以外の人にお願いすることはできるの?
「後見人候補者欄」を書かないで提出するか、心当たりのある弁護士や司法書士、社会福祉士などに了解をもらった上で、書く方法もあります。
東大阪成年後見支援センターはなってくれないの?
候補者の欄に書いていただくことは可能です。必ずしも選任されるとは限りませんが、一度東大阪成年後見支援センターへご相談ください。
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